母はやっぱり師匠だった~何かを始める時~
先週の土曜日、実家に帰った。
仕事がなくなってから1度帰っているのだが、海外から来た友人がどこか観光に行きたいというので、案内することになったのだ。
ちなみに、彼女は食べ歩きとショッピングを一緒に楽しんだ後、温泉の髪剪處(かみきりどころ)で髪を勢いよく刈り込んでもらい、大満足で帰って行った。
大胆かつ豪快。さすがアメリカンスタイル。
一緒に住んでいた頃は気が付かなかったことも、離れていると見えてくる時がある。
母は一言で表すと、「悩みがなさそうな人」である。
職場で実際に言われたことがあり、心外だ!とプンスカしていたが、否定は出来なかった。
母は何かを始める時もあまり考えない。
何故それをするのか?やりたいから!ただそれだけなのである。
余計なこと考えないので、思い立ったらとにかく早い。
そして、やめるのもとにかく早い。
材料や教材を買って満足してしまい、結局手をつけずに部屋の片隅に積まれているままなんてのは珍しくない。
自宅でヨガをするつもりでマットとDVDを用意していたが、フラダンスを始めていた。何を言っているか分からないと思うが(以下略)といった具合だ。
今回、そのことについて詳しく話を聞いてみた。
母曰く、やりたいことには旬がある。
やりたいと思った時が一番やりたい時だから、その時にすぐ始めないと、どんどん気持ちが冷めてしまって、結局何も始まらない。
だからまず始めてしまって、楽しければ続ければいいし、違うと感じたら辞めればいい。
考えるな、感じろ!
・・・それにしても考えなさすぎなのでは?というツッコミは野暮なのでこの際しないことにする。
なるほど、確かに私は始める前から続かなかった時のことを考えてしまい、中々始められない事が多い。
飽きてしまってもいい。
続けられなくてもいい。
時間が無駄になってしまってもいい。
材料や教材が無駄になってしまってもいい。
その材料や教材を買ったお金が無駄になってしまってもいい。
それを気にして物事自体を始められない事の方がよっぽど勿体ない。
私は難しく考え過ぎていたことに気が付いて少し心が軽くなるのを感じた。
いつまでも親に世話を焼かれたくないという生意気な反発心もあったが、まだまだ導いてもらうことは多い。
心の中で感謝しつつ、ゆずの夏色を「ゆっくり~ゆっくり~滑ってく~♪」と堂々と間違えながら鼻歌混じりに歌っていた母はやはりちょっと考えなさすぎる節があるように思う。
滑ってもいいから自転車に乗ろう。